胃全摘なのにお腹が空く|術後5年、空腹と苦しさのあいだで

胃を全部取った人が「お腹が空いて困る」と言うと、意外に思われるかもしれません。私も手術の直後は、そんな日が来るとは思っていませんでした。

術後5年たったいま、私がいちばん困っているのは、食べられないことよりも、空いてしまうことのほうです。

この記事は個人の体験です。食べる量やタイミングについては、主治医・管理栄養士の指示を優先してください。

食べられる量が増えたら、今度は食欲が止まらなくなった

術後しばらくは、目の前のごはんが減らないことのほうが悩みでした。半分も食べられずに残して、すぐにお腹が苦しくなりました。

それが少しずつ食べられるようになって、ああ戻ってきたな、と思っていたら、今度は逆のことが起きました。食欲が抑えられないのです。

とくに困るのが、お通じのあとです。お腹の中が空っぽになった感じがして、そのあとにまた空腹が来る。何か食べないと落ち着かなくて、台所をうろうろしながらお菓子の袋を探しています。胃はもうないのに、空腹だけはちゃんとあるんだな、と思います。

それでも、詰め込めば45分後に苦しくなる

お腹が空いているならご飯をたくさん食べればいい、という話にならないのがやっかいなところです。

勢いのまま食べてしまうと、食後しばらくは満腹で動けなくなります。そして45分ほど経ったころに、つらさが来ます。胸焼けがして、息苦しくて、胸のあたりに何かがつかえている感じがします。でも吐けません。小腸の入口あたりで食べ物が渋滞しているのかな、と想像しながら、歩き回ったりジャンプしてみたりして、時間が過ぎるのを待ちます。このつらさは、いつも1時間ほど続きます。

食べたい気持ちと、あとで苦しくなる体。この二つは、あまり相談し合ってくれません。

苦しくなるのは、決まって3つのとき

5年ぶんの失敗を並べてみると、苦しくなった日はだいたい同じ形をしています。

ひとつは、自分の分に足して食べたとき。好きなものだと、もう少しだけ、と余分に食べてしまった日です。

もうひとつは、食事の前に間食をしたとき。夕方にお菓子をつまんで、それでも晩ごはんはいつもどおり食べようとした日です。

三つめは、味の濃いものと水分を一緒にとったとき。ラーメン、すき焼き、カツ丼のようなものです。味が濃いと喉が渇くので、ついお茶を多く飲んでしまう。食べ物と水分が一緒に入ると満腹になりやすく、そのあとが苦しくなります。水分をとると苦しくなりやすいのは術後からで、それが今でも続いています。

どれも、食べている最中は「まだいける」と思っています。違ったとわかるのは、いつもあとになってからです。

一度やめて、30分後に残りを食べる

いまのところ、いちばん効いているのは、お腹いっぱいかもしれないと思った時点で、一度やめてしまうことです。

お皿はそのまま置いておいて、30分たってから残りを食べる。同じ量でも、これだと苦しくなりません。実際の献立や盛り付けでの工夫は、こちらの記事に写真つきで書いています。

おわりに

ただ、これで解決したとは言えません。

お腹が空いているのに、食べれば苦しくなる。自分のちょうどいい量が、5年たってもまだ見つけられずにいます。いつも少しだけ満たされないまま、次の食事を待っているような感じです。

同じところで足踏みしている人がいたら、ここにもいます、とだけ書いておきます。

胃全摘後の食事について、全体のことはこちらの記事にまとめています。

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