手術の前、いちばん不安だったことのひとつが、外食でした。
胃を取ったら、外で食べるときはどうなるんだろう。職場の人とご飯に行くとき、自分の事情を説明できない場面で、どうすればいいんだろう。調べても、そういう体験談は出てきませんでした。
だから、この記事を書いておきます。5年たった私は、こうしています。
・頼む量を、最初から少なめにする
・飲み物は、グラスの半分くらいまで
・食べきれない分は、人に食べてもらう
この3つで、コース料理も、飲み会も、バイキングも行けています。
ここから先は、この3つにたどり着くまでの話です。失敗もたくさんしています。
この記事は個人の体験です。食べてよいもの、避けるべきものは、主治医・管理栄養士の指示を優先してください。

外食なんて、しばらく無理だと思ってた。

無理じゃなかったよ。変えたのは3つだけ。
1. 頼む量を、最初から少なめにする
外食で最初に決めるのは、ご飯の量です。

焼き魚と味噌汁くらいの定食なら、ご飯は普通盛りでも食べられます。

でも、刺身とフライと小鉢が付くような定食のときは、最初からご飯を小盛りにします。
手術のあと、外食は病院の帰りにするくらいでした。病院は母に付き添ってもらっていたので、母と外食をすることが多かったです。
そのころは定食1人前が食べられなかったので、母となんでも分けて食べていました。餃子の王将によく行きました。単品で少量のメニューがたくさんあるので、3皿くらい頼んで、母とシェアして食べていました。モスバーガーでは、ハンバーガー1個が食べきれませんでした。3分の1を残して持ち帰ったり、残りを母に食べてもらったりしていました。
このころは、まだ「シェアする」で何とかしていました。
ただ、シェアできるのは母や家族と行くときだけです。友達と行けば、1人前ずつ頼むことになります。そういうときは、最初からご飯を少なめにしてもらったり、食べきれる量のメニューを選んだりしていました。
3〜4年経ったころ、コース料理を食べに行く機会が出てきました。最初から食べきれないと分かっているのに、出されたものを残すのは申し訳ない。それで、和食のコースなら、最後に出てくるご飯を最初から少なめに盛ってもらえるようお願いするようになりました。洋食なら、パンやデザートは同席の人に食べてもらいます。
残すより、少なく頼むほうが、気持ちが楽でした。

「ご飯少なめで」って、言いにくくない?

残して謝るほうが、私にはつらかった。
2. 飲み物は、グラスの半分くらいまで

手術や抗がん剤治療をしていたころは、ちょうどコロナの時期でした。外食に誘われること自体がなかったです。5年経った今はそれも落ち着いて、職場でも飲み会が開かれるようになりました。
飲み会では、飲み放題でも1杯しか頼みません。水分をとると、お料理が食べられなくなります。飲み物より美味しい料理をできるだけ食べたいので、グラスの半分くらいしか飲まないことが多いです。
それでも最後のほうはお腹いっぱいになることが多くて、誰かに1皿食べてもらうこともあります。周りからは、少食だと思われているかもしれません。それはそれで、いいかなと思っています。

飲み放題で1杯って、もったいない。

飲み物でお腹がいっぱいになるほうが、私はもったいなかった。
3. 食べきれない分は、人に食べてもらう

今は、「あとちょっと」の分は、自分で食べずに誰かに回すようにしています。
食べることが好きなので、美味しい料理を前にすると、食べたい気持ちを抑えられませんでした。お腹がいっぱいになってきても、欲張ってあとちょっと、と食べてしまう。最後のほうはつらくなって、しばらく動けなくなることがよくありました。
そんなときは、お店を出たあと車の中でズボンのウエストを緩めて、休憩しながら、つらさがおさまるのを待っていました。
バイキングがいちばん危ないです。量を調節できるから良さそうに思えるのですが、いやしい私は、美味しそうなものを前にすると、あれもこれもと食べたくなります。つい食べすぎてしまって、これもまた食べたあとにつらくなっていました。次は絶対つらくなるまで食べすぎないようにする、と思っても、繰り返してしまいます。
食べすぎたあとにどうなるかは、別の記事に書きました。

自分で量を決められるのに、なんで?

決められるからこそ、止まらないんだよね。
食べられないものは、どう伝えているか

私は、わかめやもずくなどの海藻と、こんにゃくを食べないようにしています。腸閉塞が怖いからです。きのこやひじきも5年くらいは食べませんでしたが、最近は少しなら、よく噛んで食べるようになりました。
外食で、食べられないものを聞いてくれるお店がありました。そんなときは、そのまま伝えました。ただ、そういうお店はまれで、たいていの料理には入ってきてしまいます。よけられるときは誰かに食べてもらい、それが難しいときは残して、食べないようにしていました。
伝え方は、相手によって変えています。病気のことを知っている人には、腸閉塞が怖いので食べないようにしていると話してあります。病気のことを言っていない人には、苦手で食べられない、と言っています。
全部を説明しなくても、外食はできます。「苦手なんです」で、たいていの場面は通ります。

「苦手」って言うの、ちょっとうそみたいで気が引ける。

食べないって決めてあれば、理由は何でもいいんだよ。
おわりに
手術の前に不安だった外食は、今は行けています。頼む量を少なめにして、飲み物を控えめにして、食べきれない分は人に食べてもらう。私が変えたのは、この3つでした。
5年前と同じように食べているわけではありません。でも、みんなと同じ席についています。
そして、それでもたまに欲張って、車の中でウエストを緩めています。
家での食べ方は、こちらに写真つきで書いています。


